Kannami

voyagerart2005-11-10

JへハムレットのVHSテープを送る。

福井県大野市の老夫婦の心中の記事は心痛む。

福井県大野市の使われていない火葬場の焼却炉で焼身自殺した老夫婦が、大野市役所に「遺産はすべて市に寄付します」との遺言状を郵送していたことが9日、分かった。遺言状は約1年前に作成されており、自宅や1万平方メートル以上の田畑など不動産が列挙されていた。大野署では、子や孫など身寄りがなく、認知症の症状が出た妻の介護生活に疲れた夫の覚悟の心中だったのではないかとみている。

 大野市役所に届いた遺言状は、住居、土地、農地など不動産が、個条書きで並べられ「遺産はすべて市に寄付します」と書き添えられていた。市情報公開課によると、作成された日付は約1年前。旧火葬場内の焼却炉で白骨化した遺体で発見された無職沢田定栄さん(80)の署名が入っていた。

 沢田さんは妻貞江さん(82)と2人暮らしで、子や孫はいなかった。2階建ての自宅、そしてニシキゴイが泳ぐ池のある大きな庭もあった。1町歩(1万平方メートル)以上の水田も所有していた。

 貞江さんは数年前から認知症の症状が表れ、沢田さんが介護していたという。近所の住民は「おじいちゃんが車で家から15分ほど離れた病院におばあちゃんを連れて行っていたね。80歳になって、掃除や洗濯、おばあちゃんのオムツをするのは大変だ、と言ってました。おばあちゃんが大好きでいつも2人で一緒だった」と思い起こした。

 大野署の調べでは、旧火葬場近くの住人が7日、大音量のクラシック音楽を流してエンジンをかけたままの無人の車がとまっているのを不審に思い通報。駆けつけた署員が焼却炉の中から白骨化した2人の遺体を発見した。自宅から旧火葬場までは数百メートルだった。

 6日午後から7日未明まで、自宅を出てから焼却炉に点火するまでの行動が淡々と記されたガソリンの給油伝票7枚が車中に散らばっていた。「午後4時半、車の中に妻を待たせている」「午後8時、妻とともに家を出る」。車で兄弟宅や思い出の場所を回って焼却炉にたどり着いた。「妻は一言も言わず待っている」「炭、薪で荼毘(だび)の準備をする」「午前0時45分をもって点火する。さようなら」。車からクラシック音楽を流しながら一緒に焼却炉に入った2人は同日午後、見つかった。