経済力

「ひだまりの郷」へ母の身の回りのものを、運ぶ。プラスチックの衣装ケースとかを持ち込んでも構わないそうで、少し余分に持って行く。本日も妻が手伝ってくれた。母は変わりなし。

食事、排泄、風呂、安定室温、衛生・安全面では、自宅で自分が介護するより施設の方が本人の為である。それらの要素が重要であることに疑いは、ない。しかし、精神面が気になる。母は、群れる性格でなく、独立独行志向である。それが、昼間、食堂付近で皆と一緒に居ることを要求され、いわばプライバシーが欠如した状態に長時間置かれている。「サン静浦」の2週間強での予行演習で、だいぶ、慣れたとは思う。しかし、私ならば、とても耐えられない生活である。

一年間、身の回りの世話を直接してきたが、本人の最大の関心は食事と風呂だった。私が出かけるときは、ほとんど必ず、次の食事が大丈夫かを確認してきた。96歳で亡くなった義父もそうだった。その最大の事柄が心配ない状態を、持てる経済力の範囲で実現できた。そう思って満足すべきだとは思う。中銀来宮では24時間の付き添いを付けている老婆がいた。その状態が一番理想であるが、とてもそれを実現する経済力はない。